[MOVIE LOG 2008]

(2008年 鑑賞作品計50本 / 劇場作品計35本)


「容疑者Xの献身」


柴崎コウ演じる女刑事はあんまり活躍しないとか、雪山のシーンも別にいらないとか、奇妙な現象を科学的に解明する訳でもないのか、とか色々あったものの、最後は切ないというかやりきれなくて泣いてしまいました。うわあん。

(12.14.)

「ブラインドネス」


視覚が完全に失われるウィルス感染が発生し、隔離された世界で、やがて倫理も秩序も失われていくてゆくという、予想してなかった展開ですごい興味深かったです。
ゾンビ系などのパニック映画でも、そういった世界の終焉と人間の本性ていうのは描かれてるけど、その上「見えないこと」、「見られていない」ことがどういうことを招いて、そして「見える」ということがどういうことかというのを顧みる…というところが深いなと思いました。
ただ中盤の展開はすごくフラストレーションが溜るので、観るのが辛い映画ではあります。それ故にラストの開放感はきれいだったなあと。

(12.04.)

「P.S.アイラヴユー」


人間誰しも生きていれば(心中にでもならない限り)大切な人との別離はあるワケで。
そこからどう立ち直って行くか。どうやって世界とのつながりを取り戻して行くのか。まだ続いて行く自分の人生と、残った想いとどう向き合うのか。
夢物語的ではあるけど、そのひとつのケースとして観ることはできました。
笑って泣けて、前向きになれそうな気がする映画でした。

(12.01.)

「イーグル・アイ」


んー、結局最終的に「人工知能の暴走」という古典的なSFネタに帰結してしまったのは肩すかし的かな。
主人公の抱える劣等感と、それでも兄に抱いている愛情にはちょっと泣かされました。

(12.01.)

「デス・レース」


「バトル・ランナー」と「ワイルド・スピード」を彷彿としました。
「観客(視聴者)」の姿を一切見せず、「視聴率」という数字で刺激を求める傍観者の姿を描いているのがうすら怖かったです。この映画を観てる我々観客こそがその視聴者本人と言わんばかりの演出でしたね。
いや、フィクションだと割り切った上でその中に暴力的な刺激を求めてるからいいんだよな。(どうだろう?)
最後に「このカースタントは絶対真似しないでね☆」という注意書きが出るのもジョークの一種なのか。

(12.01.)

「ダイアリー・オブ・
 ザ・デッド」



生きた死人が溢れる世界の終焉をドキュメンタリー風に撮ってるんですが、冒頭に「恐怖を感じてほしいので音楽も入れた」とナレーションが入ってるのに爆笑しました。
ゾンビものは、社会の縮図をブラックユーモアを込めて描くことが多い気がするんですが、これは題材が題材だけに、痛烈な皮肉と風刺がストレートに分かりやすく入った作品だと思いました。
映画は元々記録することから始まったんでしたっけね。ひたすらカメラを回し続ける青年が、最期に「SHOOT ME!(俺を撃て/撮れ)」と言うところがゾクッときました。

(12.01.)

「SAW5」


なんだかんだでついつい続編を見てしまうのは、死してなお存在感を示す「ジグソウ」のキャラにあると思うのですが…刺激に対する麻痺で、もうそろそろ死のゲームにも飽きてきた。
今回ばかりはあんまり注目すべき点が無く(それでもテーマは「新しい生き方」というところでしょうか)、続編を作ること前提で作ってるのが見え見え過ぎて…連続テレビシリーズを観てる感覚です。次回で完結してほしい。
ジグソーの掲げる信念と後継者の穿った「正義」の齟齬が今後どう展開するかは気になります。匣の中身とか。ほぅ。

(12.01.)

「アイアンマン」


近年のバットマンやスパイダーマンと違い、主人公が軽薄で、たいした苦悩も理念も感じられず。これこそ金持ち(天才)が道楽でヒーローをやっているという印象の、浮き沈みの少ない重みの無いストーリー…と感じました。
これこそ子供が見てスッキリするような、いかにもマンガらしい映画だと思いました。
もう、洞窟の中でパワードスーツを(何故かバレずに)作り上げていくとことも、ハイテク施設でホログラム設計をするとこも、ガションガションと装着していくところも、男の子心くすぐりまくりです。社長が空を飛んではしゃぐ気持ちも分かります。
それにしても腕をピンと下に伸ばして離陸・着陸するアイアンマンの姿はちょっと可愛いと思いました。

(10.01.)

「パコと魔法の絵本」


阿部サダヲのやりすぎの演技が光っていましたが、他にも豪華でクセがあり過ぎのキャラでイイ。終盤のCGを交えた展開はめまぐるしくて忙しいけど、遊園地のアトラクションみたいで面白かったです。
楽しいのに、やはりポロポロ泣かされてしまい。泣きながら笑かされてしまい。今まで一番泣いた映画かもしれません。鼻汁も。(それはただの鼻炎)
忘れる云々とかいう話ではなく、誰もが皆傷を抱えていたり歪んでいたりする中で、自らを映すようなキャラクターを演じる劇を通して、自分の心と向き合って癒していくような話だと思いました。舞台が病院だけに。
でも、誰かの心に残りたいという気持ちも分かります。

(10.04.)

「おくりびと」


死という重いテーマと直に向き合ってるのに、全編を通してユーモアが溢れてて面白かったです。
とても悲しいシーンでポロポロ泣かせておいて、次のシーンでいきなりムシャムシャフライドチキン貪ってるんですもの。美味いんだな、困ったことに。
納棺師が穢れの職って扱われるのはあんまりよく分からなかったけど、実際そうなの?最初から主人公を通してみてるから客観的に見れないけど。その納棺の所作も芸能のように美しいと思うほど。
やはり死は誰の身にも降り掛かるありふれたモチーフだけに、自分と重ねて観るのが容易で感情移入がし易く、ポロポロポロポロ泣かせられました。ハンカチ必至。

(09.17.)

「20世紀少年 第1章」


噂通り、少しははしょってるけど、基本的には原作にけっこう忠実ですね。(キャストのビジュアルも含めて)
でも、キャラクターがやたら多いくせに、この映画単体で見ると、それぞれが殆ど掘り下げられてないのでケンヂ一派にも不必要と感じてしまうキャラが多くて無駄に感じました。
中盤あたりまではスリリングで気味の悪いサスペンスで面白かったんですが、終盤がちょっと緊張感に欠けるテンポだった気が。堤監督ならこういうシーンもっと緊迫感出してくれると思ったんだけどなあ。全体的に監督の色はあんま出てなかった気が。

(09.14.)

「ウォンテッド」


あり得ないアクションの連続。観てるこっちのアドレナリンもドバドバ出そうだぜ!
あ、なんかこれもアメコミ(グラフィックノベル)が原作らしいですね。
「つまらない自分の殻を破って非日常に飛び出したい」という欲求を映画という疑似体験で満たそうとしてるのに、最後にそれを突き放すような言葉を投げかけてくるメッセージは皮肉だけど痛快。アクション映画に話の完成度を期待しないけど最初に帰結するシナリオはなかなかよくできてると思いました。

(09.14.)

「ハンコック」


嫌われ者の超人がヒーローになる過程まではちょっと泣けていい話です。
でも中盤からの展開と設定がいまいち納得いかなかったかも。
あのコスチューム、実写X-メンと似てるなあと思ってたら、それに関するネタがちゃんとあったのでよかったです!

(09.01.)

「デトロイト
 メタルシティ」



なぜDMCをやることになったのか説明がないので、なんで嫌ならやめないのか(演るのか)という疑問が解消されずにイマイチ入り込めませんでした。
表裏一体や二面性のことに関してあんまりつっこんでないので話に説得力はありませんが、バカ映画なのでそこは求めるな!殺すぞ!ということですね。
でも上映終了後の「歌詞を直接肯定するものではありません」というDMCを否定する注意書きが一番面白かったです。
あと、松山ケンイチさんが演じる素の根岸君のクネクネ感がクラウザーさんの100倍気持ち悪くてよかったです!個人的な一番の見所はココ!

(09.01.)

「ダークナイト」


前評判からジョーカー(役)を持ち上げられすぎてたので期待しすぎたところもあり。
ヒロインが前作の人の方がきれいだったなあと思ってしまったり。
人間の「悪の部分」と「善の部分」との対比がすごいよかったと思います。
でも一番のツボポイントはバットポッド(バイク)の登場シーン。ギャー!なにこれ!ありえねえ!

(08.15.)

「ネコナデ」


「猫の出番があまり無い」という噂を聞いてたので見るかどうか迷ってたんですが、まあ、確かにそんなに多くはないものの、所々よちよち歩く子猫のアップのカットを挟んでくるのでその度にキュンってなります。
「猫映画」というより「おじさんと子猫の映画」でした。特別猫が好きじゃなくても、子猫は可愛いにきまってるぜ!キュン!そして猫を愛でる鬼部長(大杉蓮)にもちょっとキュン!
クスクス笑えるところもちょくちょくあり、ちょっとほっとする映画でした。
(08.12.)

「インクレディブル・
 ハルク」



数年前に劇場公開した「ハルク」を「無かったこと」にしてキャストもストーリーも一新した映画ですかね。
でもオープニングは「いかにも前作がありました」的な「(架空の)第一作のあらすじ」ぽい誕生秘話シーンだったのが面白かったです。
今回は「愛がテーマ」とか言ってましたが、前作にも恋人いたし、あんまりやってることは変わらなかった気がします。むしろストーリーの筋としては前作の方が好きな気が。
色々投げっぱなしで終わってる気が。
でも、ティム・ロス演じる生身(?)の人間とハルクが闘うところはメチャメチャ熱いです!このシーンが一番好きです。

(08.01.)

「ハプニング」


同じシャマラン監督の「サイン」と似てます。
が、こっちは人が死にゆく過程がとても不快でうすら怖いです。
人間への警鐘?という雰囲気があるけど、それよりも「いつ、理不尽で回避しきれない『何か』に襲われることがあっても不思議ではない」という怖さがありました。ヒチコックの「鳥」みたいだ。
あと、今回どこに監督が出演してたのか分かりませんでした。

(08.01.)

「崖の上のポニョ」


やー、かわいかったです。ぽにょかわいい!
あれだけ小さな子だから、わがままでも可愛いですまされるんでしょうけど。
小さくまとまった感じの作品で、若干唐突なラストに「もう終わるの?」と少し物足りなさを感じるくらいですが、それだけこの世界をもうちょっと観ていたかったということですね。

(07.29.)

「スピード・レーサー」


「スピード・レーサー」ていうのが主人公の本名ていうことに驚愕。
その他も色々笑えるシーンがいっぱいで、けっこうコメディの割合も多くて楽しい作品でした。
特に。悪者レーサー達に苦戦を強いられ、マッハ号が前方から凶悪なカッターを出して攻撃したあとに、主人公本人が「どいつもこいつも反則ばかり!」と自分のことを棚に上げたセリフが最高です。
そんな感じで、やたらと車がジャンプしたり体当たりしたりで、レースというより車の格闘技ぽいというところも面白かったです。

(06.14.)

「ミラクル7号」


全2作と比べるとアクションも馬鹿馬鹿しさもおとなしめでした。
相変わらずのセルフパロディは思わず大爆笑でしたけど。
一番の見所は宇宙生物ナナちゃんの可愛さだと思います。
でも子供ってけっこう残酷だよなーと思いました。
ラストはなんか釈然としない気もしますが、この映画なら、まあいいかな。

(07.01.)

「僕の彼女はサイボーグ」


こういう人に近づこうとするアンドロイドモノって好きなんですよね。
なぜ「アンドロイド(人型ロボット)」ではなく、「サイボーグ」なのか?ターミネーターのパロディ(あれも劇中でサイボーグと言ってた)だから?単なる「人型機械」ではなく、「機械の体を持った人間」ということがいいたかったのかしら。
キャストも舞台も日本なのに韓国ドラマを見ているような奇妙な感じ。日本人の感覚との明らかなズレがもどかしくもあり、なんで韓国で作らなかったんだろう、とも思いましたが、「猟奇的〜」と同じように楽しめました。
あとは、タイムパラドックス(時間の逆説)という点でも、なんか複雑で分からない部分もあるけど、そこも面白かったです。

(07.01.)

「インディー・ジョーンズ
 クリスタルスカルの王国



教授健在!
冒頭の爆発のシーンとか、もう、その不死身ぶりに大爆笑!
ジャングルのチェイスシーンも大興奮!
ラストのアレはええええええええと思いつつ、まあ、いっか。

(06.14.)

「最高の人生の見つけ方」


俺の生き様にお前が泣いた。
(05.10.)

「秘密結社鷹の爪団
 THE MOVIE 2
 私を愛した黒烏龍茶」



こんな適当な絵のフラッシュ作品、映画館でやるようなものか〜?
とタカをくくってたんですが、前作をDVDで予習し、色々遊び心満載の作りにタカまる期待。
ちゃんと「た〜か〜の〜つ〜め〜」ってやりましたよ。
劇場内がひとつになりましたよ!
嘘だけど。
終盤の予算の使い方を始め、もう笑いっぱなしでした。

(05.01.)

「ランボー
 最後の戦場」



悪夢のような現実(これは実際に起きていることだ!)と主張するの残酷な描写。
人間性を感じさせない残虐非道な敵が、ランボーによって倒されていくことで感じるはず…の爽快感が、いつの間にか気分が悪くなってくる。
エンドロールの農道を歩く男の後ろ姿を見送りながら、複雑で重い重い感情に流されそうになります。
重い。

(05.01.)

「NEXT
 ネクスト 」



2分間先の未来を予知できる、という能力をどのように使うかというところが見所ですが、「1度体験したことの2分前に戻って他の選択を選ぶことができる」とも捉えられる。
ので、無数の選択肢から都合のいい未来を選び出して、失敗を回避できるという所が面白い。
ニコラス・ケイジの髪型も面白い。
崖での逃走劇や終盤のその能力での活躍ぶりはすごい良かったんですが!
ラストが消化不良でムズムズ。

(05.01.)

「スパイダー・ウィック
 の謎 」



ファンタジーは昔から好きだったんですが、最近は溢れすぎててあんまり食指が動かない。
でもなんだかんだで変なクリーチャーがたくさん出てきて、胸ドキドキの冒険でした。昔ネバーエンディング〜を見た時のような。
でも1人2役の双子という設定はあんまり生かすつもりもなかったんですね。
妖精図鑑は買っちゃいました!

(04.29.)

「バンテージ・ポイント 」


大統領狙撃というひとつの事件を、同時刻の8人の異なる視点から見ることで、次々に真実が明らかになっていく…という構成が面白い!
こういう構成の映画は他にもありますけど、きれいな形に収まってると思いました。

(04.14.)

「クローバーフィールド
 HAKAISHA」



「マンハッタンに突如襲いかかる災厄の中、逃げ惑う人々のパニック映画」
と言ってしまえばあまりにありがちですが、全編ハンディカメラでの撮影で、臨場感がハンパねー。
「酔うので注意してね」と看板に注意書きがあるのも納得の悪酔い映画でした。
でも時々挿入される、平和な日々のホームビデオの内容との対比がすごいよかったです。

(04.14.)

「ノーカントリー」


殺し屋の男が、髪型も含めて気持ち悪くて怖くて、中盤までドキドキハラハラするような展開だったんですが
終盤、あれ?あれれ?どうなったの?という方向に。
総じて「こんな酷い世の中に生きていることが不幸だ」とも

(04.01.)

「ジャンパー 」


最近はアメコミ原作など特殊能力バトルが流行ってる気がするけど、特殊能力がテレポートのみに絞ってるところはむしろ新しい。
けど能力についてや敵の組織の目的とか、色々説明不足が多く、主人公の成長も感じられず、ドラマとしては少々浅すぎる感も。

上映時間は88分と短く、ポンポンがめまぐるしく画面が変わるスピーディーなアクション・テレポートの表現がかっこいいので気楽に楽しめました。
自分にもこんな力があったら、どうするだろう?と夢想させてくれますよ。

(03.01)

「アメリカン・
 ギャングスター 」



途中寝てました。

男臭い世界です。

(02.01.)

「スウィーニー・トッド
 フリート街の悪魔の
 理髪師」



音楽が珍しくダニー・エルフマンじゃないの?ミュージカル原作だから?
恐ろしくもエグイ内容を、ティム・バートンらしい悪趣味かつ軽快なノリで楽しく観れた…と思ったらあまり救いの無いラストに気が滅入りました。これぞ嫌し系か。

(02.01.)

「AVP2
 エイリアンズVS.
 プレデター 」



前作の方が面白かったけど、プレデリアンカッコいい。
ラストは、次作に続く!という終わり方なのかと思いました。
が、どうやらエイリアンにつながるラスト、ということだったみたいです。

(01.17.)

「アース
 earth 」



吹き替え版しかなかったのは少し残念。期待しすぎたせいか、思ったほどの感動は得られなかったけども、なかなか動物達の生態(求愛ダンスをする極楽鳥はまるでCGアニメのキャラみたい)が面白かったし、これを撮影したという技術と努力には感嘆しました。
一応最後に地球温暖化への警鐘は鳴らしているけども、この映画を観て、「ああ、ぼくらも地球の一員なんだ、もっと環境を守るように努力しよう」と思わせるような内容ではなかった気もします。

(01.14.)

「ジェシー・ジェームズ
 の暗殺 」



全く期待せずにとりあえず(時間がちょうどよかったので)観たので、楽しめました。
ヒーローを殺しながら歴史に名も残らないようなちっぽけな人間の、悲愴感溢れる最期に『卑怯者のロバート・フォードによるジェシー・ジェームズの暗殺』という(原題)タイトルクレジットが重なるところに説得力があってゾクッと来ました。
(01.14.)


自宅鑑賞作品など


「黄色い涙」 

「 ピカンチ」 
 
「見えない雲」 
 
「狸御殿 オペレッタ」 
 
「サンキュー・スモーキング」 
 
「パリ・ジュテーム」 
 
「スネーク・フライト」 
 
「ロッキー・ザ・ファイナル」 
 
「嫌われ松子の一生」 

「自虐の詩」 
 
「キサラギ」 
 
「グエムル 漢江の怪物」 
 
「花田少年史 幽霊と秘密のトンネル」 
 
「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」 
 
「転々」 
 
「時をかける少女」 
 
[2007]  [INDEX]  [2009]